商品の流通には多くの業種が関わっており、どれが欠けても成立しません。そのなかで中心となっているのはメーカーと卸売業者、小売業者の3種類です。これらの意味を混同しないように正しく把握しておきましょう。メーカーとは製造業を営んでいる企業であり、代表的なジャンルとして家電が挙げられます。その他にも化粧品や食品など、世間で使われている物品はすべてメーカーによって作られたものです。商品自体ではなく、部品を作っている企業もこちらに該当します。メーカー大手のなかには、複数のジャンルを幅広く手がけているところも多いです。物理的なものだけでなく、電子的なコンテンツを制作しているところも当てはまるので注意してください。たとえば、ゲームなどのソフトウェアを作っているところもメーカーです。
一方、卸売業者とはそれらの製品を仕入れて販売店などに卸している企業です。問屋と呼ばれることも多く、製造の現場と消費の売場を結び付ける中間的な役割を担っています。それに対して売場を担当しているのが小売業者です。卸売業者から製品を仕入れて、それを店頭で販売するのが主な業務です。3種類のうち、こちらだけが消費者が直接対面します。ただし、例外も存在するので覚えておくとよいでしょう。たとえば、近年インターネットビジネスの普及により、メーカーが直販する製品も多くなってきました。中間のマージンが発生しない分、安く購入しやすいというメリットがあります。卸売業者に関しても、小売業者を通さずに消費者に販売しているケースがあります。一般の人でも利用できる問屋がその代表であり、安く大量買いしたい人にうってつけです。それらを耳にすると、小売業者の立場が弱くなっていると感じる人もいるでしょう。しかし実際のところ、そちらが最もこの3種類の垣根を飛び越えています。
プライベートブランドの展開によって、自身が製造した商品を自分たちの店舗で販売するスタイルです。やはりマージンを省略できるので、一般的な商品よりもかなり安く設定できます。これを主体にされてしまうと、製造や卸売の仕事が劇的に減ることになります。ですから、プライベートブランドの割合をあらかじめ決めておくなど、3者の間でさまざまな交渉が行われているのが実情です。このように境界が徐々にぼやけて、相互に重なる部分が出てきました。それぞれ定義が異なりますが、重要な流れの一部であることに変わりはありません。