メーカーとは商品を製造する会社であり、小売業とは消費者に販売する店舗です。人口が減少に転じてから6年が経過した日本では、市場が成熟したと言われています。水準以上の品質のものを製造すれば、確実に売れる時代は終わったのです。顧客の需要に応えるものが作れなければ、利益は望めません。メーカーと小売業、それぞれが抱える流通の課題について示します。 卸売を通した販売だけでは、メーカーにとって重要な製品開発力が高まらないことが課題です。消費者のニーズを把握する機会が少なく、同行営業も嫌がられる傾向があるからです。また卸売経由だと自社の努力が売上アップに直接つながらないことも問題です。

消費者に商品の魅力を伝える業務が仲介者頼みですから、空回りしやすいのです。以上の課題をクリアする方法として、自社サイトでのインターネット販売があります。しかし直接取引ゆえの人件費の増大、ノウハウがないことから生じるトラブルなどの問題が考えられます。 小売業サイドから流通をみても数多くの課題があります。まず変化し続ける消費者ニーズをとらえ続ける難しさです。生活必需品以外はニーズが多様化し、変化も急速です。変化をつぶさに把握して、ラインナップに反映させるのは簡単にできることではありません。
もちろん店舗の変化を消費者に訴えることで来客数がキープできる側面はありますから、陳列方法やレイアウトを定期的にかつ効果的に変えていくことが重要です。上記のように製造会社が自社販売することも増えていますから、決まった仕入れルートだけでは魅力あるラインナップになりません。 海外からの調達を試みたり、小さなショップに発注したりすることも必要になってきています。
その店舗に行かなければ手に入らない魅力的な商品が大きな武器となるのです。大きな小売店になるとメーカー機能を持つこと、例えばプライベートブランドを持つことも可能になるでしょう。そのメリットは店舗で察知したニーズをどこよりもはやく商品に反映できることです。そのスピード感を大切にするために、プライベートブランド商品の製造ルートを確保することが重要です。 最後に小売店もインターネット販売をする時代になっていますから、そのノウハウの蓄積と顧客獲得が大きな課題でしょう。現在は価格比較サイトや口コミサイトなど、インターネットサービスを介してのサイト訪問も多いです。最新の動向をチェックしたうえでの行動が求められます。