日本の電子機器で良く使われている電源ケーブルは、本体から生えている100V対応のものや、いわゆるACアダプターでおなじみのメガネ型です。
テレビやディスプレイなどの家電では溝のある100V対応が主流で、これは取り回しを考えて採用しているものです。
直づけだと、電子機器本体側に電源端子はありませんから、被覆に傷がついたり断線が起こると修理を要することになります。
コンセント側は左右の大きさが同じで、どちら側を右にしても刺さるようになっています。
本来は右がライブで左がニュートラルと左右にそれぞれ役割があって、向きを合わせるのが正しいです。
しかし、日本では利便性を重視して左右を区別しないケースが殆どです。
ACアダプターは本体からDC出力の電源端子が生えていたり、メガネ型の電源ケーブルを装着して使用するタイプがあります。
前者は世界共通の規格が主流なので、サイズとプラス側の位置を除けば、日本に限らず海外の製品も似たような作りです。
日本メーカーの製品によっては、独自の電源端子で使い回しができないように制限しています。
高電圧が掛かるような電源端子や、プラスマイナスの2端子だけではない、特殊な電源で採用されている傾向です。
メガネ型の電源ケーブルも日本独自ではなく、家庭用ゲーム機やノートPCのACアダプターに使用されます。
逆に、アメリカで主流の20A対応インレットや、エアコンなどの一部に限られる200Vコンセントはマイナーです。
それに伴い、20A対応のケーブルや電源端子のパーツもあまり売られていませんし、コンセントタップなどの製品も取り扱いは限定的です。
また、世界的に見て比較的電圧が低い国ですから、アース接続もあまり重視されていないです。
家庭の電源コンセントにアース端子がないことが多いので、アースピンを備える3Pタイプのコンセントはそのままだと使えないわけです。
その為、アースピンありのコンセントは変換プラグが必要になりますから、家電量販店などでは必ずといって良いほど取り扱いがあります。
電子機器は、製品毎に必要な電圧が異なるので、ケーブルも電源端子も多種多様です。
それでも、大半は標準規格に合わせて設計されていたり、仕様が定められています。
使い回せない独自仕様については、変換して使う考え方が根づいており、各種の変換プラグが充実する状況にあるといえるでしょう。
電子機器の内部では、Yラグや丸型端子などが使われていて、ハンダづけだけでなく圧着やネジ止めも活用されているのが日本の事情です。