日本には、戦後になって多くの高層ビルの建築がありました。また人が実際に居住しているところとして、高層マンションの建築も進められてきました。このように、非常に便利になった一方で様々な問題を解決しなければならなかったわけです。大きな問題の1つは、火事の問題になります。過去には、デパートで火災が発生し多くの人が命を落としたことがありました。また、ホテルで大きな火災が発生し現在でもそのニュースを知る人は少なくありません。このように、人が住む場所と火事は非常に密接に関連しており、建物が大きくなればなるほどそのリスクが大きくなるといえます。

そこで、様々な失敗から学んだ日本人は火災安全システムの確立をするにいたりました。簡単に言えば、火災から人々を防御するのがこのシステムの特徴といえます。具体的に言うならば、1つは壁を設置して炎や煙が回らないようにプロテクトする機能があります。壁以外では、自動的にシャッターが降りる仕組みです。多くの人は、炎ではなく煙を吸ったことによりそれが命取りとなっていることがわかっています。そこで、火事が発生した場合にシャッターを自動的におろす仕組みを採用すれば、それだけで多くの人を助けることができます。そして火のまわりを遅くすることにより延焼を防ぐわけです。
検出器に関しても、40年から50年前に比べればかなり進歩してきたといっても言い過ぎではありません。昔の検出機の性能はあまり良くありませんでしたが、最近はかなり高いレベルで感知するようになっています。煙を感知する方法と熱で炎を感知する方法があります。そしてこれらは、必ず大きなビルやマンションそしてホテルなどでつけなければいけないように法律で決められているわけです。
法律で決められていると言えば、スプリンクラーもあります。一定以上の大きな建物にはスプリンクラーの設置が必要です。これは、過去に起こった東京のホテルの火事の教訓の1つと言えるかもしれません。当然オートマチックで作動する設備であることが必要です。もし自動的に作動しなければ、発見が遅れれば遅れるほどスプリンクラーを設置した意味がなくなってしまいます。スプリンクラーはあくまで初期の炎に対して有効であり、完全に延焼してしまったような状態ではあまり役には立ちません。
それ以外では、このシステムを安全に導入するための仕組みが必要です。これはホテル側やビルの所有者が管理すると言うよりも、システムを提供する会社がしっかりと管理をすることが大事になります。